No.17 「立ち止まらず作り続けること」 2012/12/28

【 Magazine 】 MASHA / N.Komatsu Couturiere

i-mashaをご覧の皆様、お久しぶりです。

2012年がもうすぐ終わろうとしています。皆様にとって2012年はどんな一年でしたか? [2012年]　私にとって、今まで生きてきた中で、一番早く「時」が過ぎた一年でした。「もう若くないから早い？」のとは何か違う気もしていて、なぜなのか？分からずにいます。

今年は新しいことに挑戦したり、
イベントがあったりと緊張の多い一年でした。

初めて、渋谷ヒカリエで開催された展示会「PLUGIN」への出展。「どうして今更・・・？？」というご意見があったりもしました。

『期日が決まった中で、MASHAのテーマを伝える挑戦。展示会に色々な方がご来場する中で、今のMASHAはどう映るのか？
必要とされるのか？　他メーカーさんとの交流。バイヤーさんやデベロッパーが求めているもの。新しい空気や風を感じたくて・・・』大変でしたが、勉強になりました。新たな出会いもありました。応援を頂いて嬉しかったです。出展してみて良かったと思っています。

「MASHAdesignerNaokoKomatsuが自由が丘でお勧めのSHOPをご紹介」というストーリーのもと、雑誌「世田谷ライフ」へ掲載がありました。ずっと気になっていたフローリストシャ―ルフラマンさん。やっぱり！素敵なお店でした。

[汐美真帆と尾田大幸のLove&Light]へラジオゲスト出演♪　あっという間の1時間でした。たくさんのメッセージありがとうございます。緊張しました。私の人生の中で想定外の出来事・・・ラジオで歌を歌ってしまいました。。。

時間と手間を惜しみなく注ぎ込み、魂を込めたバラのドレス。高いハードルを課して、臨みました。

苦しみながら、少しずつでも前へ前へ進んでいることを、実感しながら過ごした一年でした。

MASAH自由が丘店がオープンしてから今年で11年目を迎え、MASHAがスタートしてからは、今年で18年目を迎えました。いざ数字を文字にしてみると、そんなわけはないと思いつつも長いなぁーと感じます。

走り続けることが、無意味に思う事もありました。困難な状況になると逃げ出したくなったり、弱気になったり、人のせいにしたりしてしまう。経済的な影響力は大量生産にMASHAは敵わない。でも、芸術的にはほど遠くても、届かなくても・・・私は少しでもそちら側に近づいていける様な、皆様に、興味や感動をしていただける様な洋服作りを目指したい。

桜井純恵様からオーダーいただいたドレスは、一年前から　「どうするか？」いつ何時も頭から離れず強気で、自信をもって制作に臨みました。でも形になっていくごとに、自分の自信は何だったのか?　不十分な作品に思えてくる。自分の力の無さに泣きたくなるのです。それでもDressをボディに着せてショーウィンドーに飾って、じーーっと　ずーーっと　見ていると「大丈夫！良かったんだ！素敵だ！」と、どん底から少しずつ、少しずつ正気に戻っていきます。

デザイナーは苦しくても「立ち止まらず作り続けることだ」　と思います。強気からどん底に落ちても、少しずつ正気に戻っていくのを繰り返し、勉強し、成長していくのだと実感しながら走り続けています。

イヴ・サンローランが、2002年の引退会見の時に「今まで、世の中の女性を美しく輝かせてきた自負がある。」とおっしゃていました。私はまだそんなことは言えないですが、この言葉の意味は心の奥底からよくわかります。力を湧き起こしてくれる言葉です。

洋服は人を前向きにさせて、新しい出会いや、新しいことをしたくなる気持ちにさせてくれる力があります。大好きで気に入って、しかも頑張って手に入れた洋服ほどその力は大きい。目に見えない大きな力があります。

2013年　MASHAはまだ走り続けます。18年のキャリアのクォリティを求められる事を認識して、感謝の気持ちと初心を忘れず制作に臨んで参りますので、どうか来年も「MASHANaokoKomatsu」を応援してくださいませ。

今年は12月30日18：00まで営業して、皆様のご来店をお待ちしております。皆様、良い年越しと新年をお迎えくださいませ。そして、来年　素敵なことが皆様にたくさんおとずれますように・・・

2012.12.28　MASHA designer Naoko Komatsu